必要以上にモノを持たないミニマリストは本当に病気なのだろうか。当然そんな事は無い。自分にとって必要なモノを把握して、それらで生活をする。無駄を省く行為は誰しもが行い、それを極めたのがミニマリストとも言えます。
なぜ、ミニマリストは「病気」「病的」と言われるのでしょうか。
それは極端にモノを減らして生活するミニマリストもいるからである。必要以上にモノを減らし生活を不自由にする。そんな生活を周りから見たら「病気」と思うことでしょう。僕自身もミニマリストですが、他のミニマリストを見て、病的だと感じることは少ないですがたまにあります。
とはいえ、ミニマリストの特性上、陥りやすい精神疾患も存在あることも事実です。
それが、今回のテーマである『断捨離依存症』です。
日本メディアで取り上げられるミニマリストの多くは極端にモノを持ちません。持ち物の数、種類に正解はありませんが、少ないモノで豊かに暮らすことが目的のミニマリストであるならば極端に減らしすぎることは不正解と言えます。
それを真似してモノを減らすと失敗に繋がるでしょう。
『この記事を読むことで分かる事・メリット』
- ミニマリストが病気と言われる原因について
- 断捨離依存症についてとその対策
- 断捨離で失敗しにくくなる
- 正しく手放せるミニマリストになれる
正しく(失敗・後悔しない)断捨離をするためにも『断捨離依存症』について知っておくことは重要です。
断捨離依存症とは
端的に説明しますと、断捨離に必要以上に熱中し、やめられない状態のことです。
そして、何が問題かと言いますと『生活に支障をきたす』『人間関係がうまくいかなくなる』など様々です。
必要なモノまで減らしてしまうと生活が不便になって支障をきたしてしまうという事です。
例えばベッドは必要ないと手放し、寝袋で寝るような生活をするとどうでしょう。睡眠の質が低下してしまい、睡眠不足や体の不調に繋がります。
服も減らしすぎてしまうと着る服がなくなるという事態に陥りかねません。
もうひとつの「人間関係」ですが、これは人によると思います。自分の考え(モノを減らす)を家族や恋人に押し付けることで悪化します。
他人にモノを減らすことを強要することは嫌がられる可能性が高いです。自分にとって要らないモノでも、他人にとっては大切なモノであることもあるからです。
依存症には2パターンある
少し依存症についての解説も行いたいと思います。依存症には主に2つのパターンが存在します。
- 物質依存
- プロセス依存
「物質依存」はアルコールやニコチン(タバコ)、薬物なんかが当てはまります。物質そのものに依存性があり、やめられなくなるというタイプです。
「プロセス依存」はギャンブル・ゲーム・スマホなど、ある特定の行為を行うことで安心感や刺激を得てやめられなくなるというものです。
断捨離依存症はプロセス依存に該当します。部屋のモノがなくなり、きれいに片付くと気分が良くなりそれが刺激になり依存するのです。
こんな人は要注意
厚生労働省によりますと、依存症というのは自分では自覚しにくいものであるそうです。
依存症についてもっと知りたい方へ |厚生労働省 (mhlw.go.jp
これから紹介する3つの項目のどれかに当てはまる人は注意が必要かもしれません。
捨てすぎて生活に支障が出る
こちらに当てはまる場合は断捨離依存症の可能性が高いと言えます。
先ほど紹介したように寝袋で寝ている。翌日に着る服がないほど減らしてしまったなど、生活に支障をきたすほどモノを減らしてしまっていないでしょうか。
個人的見解では「家具」「家電」などを減らしすぎていると生活を不便にします。
必要なモノ以外だと、「趣味のモノ」を捨ててしまっていないでしょうか。趣味が変わった、十分の量と数があるから減らしたなど手放す理由は様々です。ですが、趣味でまだ使うモノだけど断捨離のために減らすのだと意味が変わってくるのです。
他人のモノを勝手に捨てる
自分のものだけでなく、家族のモノを勝手に捨ててしまうと家族の関係性を壊しかねません。
他人のモノは他人のモノ。自分のモノは自分のモノです。勝手に捨ててしまうのは当然よくありません。必要なモノも価値観も人それぞれなので、何も聞かずに捨ててしまうというのはNGです。
捨てる事が快感になっている
ストレス発散で買い物をする人がいるように、部屋を掃除するという人もいます。
掃除という行為で幸福感を得ることはそれほど問題ではありません。良くないのがのめり込んで行ってしまうという事です。何事も適度に行うことがベストと言えます。
断捨離依存の対策
ここからは断捨離依存症の対策について解説していきます。先ほどリンクで張った厚生労働省によるとやめ続けることが重要と記載されていました。では捨てる事をやめるにはどうするべきか、それについては以下の4つを行うことで対策することができます。
手放す理由を明確にする
まずは手放す理由を確認しましょう。
『似たものがあるから』『もう何年も使っていないから』『使う機会がなさそうだから』などだと手放してもそれほど問題ないでしょう。
一番良くないのは理由なく手放すことです。
断捨離は使わないモノを手放すのであって、何でもかんでも捨てて良いわけではありません。何となくで使っているモノまで手放さないようにしましょう。
保留ボックスを作る
捨てるか悩んだ場合にすぐに捨てるのではなく、保留ボックスで一時的に保管しましょう。そして期限を決めてください。
1ヵ月~1年ほどが良いでしょう。その期間内に使うことがなければ手放すといういたって単純なルールです。
どうしても手放すかの判断に迷ったときに効果的です。
必要なモノと数を把握する
人によって必要なモノ・数は異なります。例えば社会人と大学生ですと当然必要な服の数は異なります。
社会人は私服よりもスーツの方が必要かもしれません。反対に大学生は私服が多くなります。
このように自分がどんなライフスタイルなのかに合わせてモノを減らしましょう。休みが週に2回だから2着分だけというのではなく、長期休みなども考慮したうえで決める必要があります。
個人的には各季節3~4コーデ分あれば困ることはないと思います。
相手を理解する
これは相手に自分の価値観や考え方を押し付けないためにも大切です。
自分にとって価値がない物でも相手にとっては大切なものかもしれません。ましてや相手はモノを減らすことを考えていないこともあります。
モノを減らしたいのはあなたであり、相手ではありません。それでも相手のモノが気になってしまうのならば、一度その相手に相談してモノを減らすという事をしましょう。
勝手に捨ててしまうという事だけは絶対にしないようにしましょう。
まとめ
- ミニマリストが注意したいのは「断捨離依存症」
- 断捨離依存症とは物を捨てすぎて「生活に支障をきたす」「人間関係の崩壊」を招く可能性がある。
- 「捨てすぎて生活に支障が出ている」「他人のモノを勝手に捨ててしまう」「捨てることが快感である」という人は注意が必要。
- 断捨離依存の対策は「手放す理由を明確にする」「保留ボックスをつくる」「必要なモノと数を把握する」「相手を理解する」ことが重要。
コメント